EX嘘つきの旅

EX嘘つきの旅プチ〜ハロウィンなんですけど!!

「ハロウィンです。」


「はい。」


「ヤタガラスさんは知ってますか?」


「コスプレ、お菓子。」


「はい。」


「コスプレしますか?」 


「死ね。」


 と、このような会話をしながらハロウィンの夜に悩んでることがある。


「いま、夜の19時です。」


「はい。」


「飯を3時間前ぐらいに食べました。」


「16時ぐらいですね。」


「・・・・夜食を食べたい。」


「バカじゃねぇの?」


 と、口悪くヤタガラスは睨む。


「いや、胃の感覚的に食いたいんですよ!」


「お前、酒飲んでる?」


「9%いただいてます。」


「何日目ですか?」


「1週間以上。夜に1本」


「三途の川でも観たいの?」


 と、止められてしまう。と言うか、まじで夜食で悩んでる。近くに確かにコンビニはある。しかし食べることで!食べることで!!


「お金が、クレカの金額が増えてしまう!!」


「だから我慢しろって!なぁ?今日を我慢すれば終わりだよ。」


「だけど、胃が!胃が!!!」


「いや、欲しても抑えろよ。なぁ?未来を見てみようよ。将来、お前の体にガタが来て明日を迎えられないかもしれないよ?」 


 ヤタガラスの言い分はわかる!!それでも!!だとしてもおぉぉぉ!!  


「俺は、俺は!!コンビニに行きたいんだぁぁぁぁ!!」


 そう言って、俺はコンビニに向かうことした。


「アイツ、どうせ一ヶ月後に泣き事言ってるな。」


 と、言うことで近くのコンビニまで歩くと寒そうなコスプレ、エッチなコスプレ、風俗的な片言の勧誘が跋扈する。


「やっぱコスプレ多いなぁ〜。」 「まぁ、ハロウィンだからね・・・・・キミはハロウィンに関係ないものを買おうとしてるけど、虚しくない?」


 グサッと心に何か刺さり、少し足を止める。後ろから中国系かフィリピン系の人か分からないが「オニイサン、オニイサン?イマヒマ?」と優しい声が聞こえる。


「やめろ、その言葉は俺に刺さる。」


「じゃあ、後ろの人に慰めて貰えば良いじゃん?」


「それはだめだ!!」


「なんで?」


「・・・・リスクが高い。」


「あぁ、そういうこと。」


 と言うわけで、後ろのお姉さんをスルーしながら俺達はコンビニに向かうことにした。


「さて、何にしようかな?」


「何にする気だ?」


「まぁ、テンプレ的に焼きそば+ポテトサラダ・・・」


 と、良い終わろうとした所で俺は口を止める。


「駄目だ!!高いし!ハロウィンなのにお菓子ネタが無い!被るとヤバい!!」


「心配する所ズレてるんですけど。」


 と、俺はポテトサラダの前で足を止める。


(ここは、ポテトサラダにするべきか、いや、他の手はないのか・・・・)


 頭を回す。ここで、何とかするために回す。


「そうだ!」


 俺は市販のじゃ◯りこと焼きそばを一◯ちゃん半熟卵そして、ロングのビール、スパイシーチキンを買ってレジに立つ。


「なんで変えたんだ?」


「この焼きそばにはマヨネーズが入っている。そして、昔お湯でポテトサラダを作れる動画を思い出してな。もしかしたら、安く作れると思ってな。」


「ロング缶とスパイシーチキンのせいで安いのクソも無いけどな。税金払えたからって気を緩みすぎだ。」


 ホテルに戻って焼きそばにお菓子を入れる。


「よし、これで3分待てば出来上がりだ。」


「すみませーん、これ思ったこといいですか?」


「なんだ、ヤタガラス。意見を聞くぞ。」


「これ、お菓子が水を吸収してドロドロな液体の焼きそばになりません?」


 確かに、それは盲点。俺は黙ってヤタガラスを見つめる。


「え?考えてなかった?」


「い、いや、なんとかなるよ。うん。と言うか、なんとかなれ!!って感じだ!!」


 彼女は、それを聞いて大きなため息を吐く。


「まぁ、結果は期待しないでおくよ。」


「結果発表!!」


 と言うことで、3分経ったのでお湯を流す。


「ドロドロになってない!」


「おお!固形化してる!!」


 そして、蓋を開けて、ソースふりかけをかける。


「一旦ここで混ぜるか。」


「部屋で作る時は匂いがこもるから窓を開けることを忘れないでね。」


 数分混ぜててあることに気付く。


「なんか、混ぜにくくない?」


 「時間が経ってお菓子が固まってきてるかもね。」


 そろそろヤバいので卵を入れようとする。


「殻、剥きにく!!」


 「まぁ、冷凍だったからな。暑いうちが一番剥きやすいらしいからね。」


「くそ!!ここは失敗か!」


「いや、味が問題だろ?まずかったら負け、美味しければ良し!」


 ヤタガラスの言う通り、ここで不味ければ俺の飛んだ金の意味がない!


「さぁ、お味はいかが!」


 少しお菓子が固まったソースの麺を口に入れる。すると!


「上手い。ソースやからしマヨネーズの濃いアクセントを卵とお菓子が弱めながらも、ソースの味、まろやかになったからしマヨネーズの味が美味!しかも、ビールと相性抜群だ!!」


「やってることはポテトサラダと同じだろ?」


「恐らく、元々ついてた塩分やマヨネーズの味が違うのか、ポテトの塩分を落としたくれたおかげで、味がまろやかなのかもしれない。」


「少し、薄味好みの人向けかな?」


「と言うか、出てくるタレが少なかったかもしれないな。」


「まぁ、キミが上手いと言うなら良いさ。」


 と、時計を見るともうすぐ1時間ほど経とうとしてた。


「こんなことしてたら、もう一日が終わっちまう。」


「まぁ、今年のハロウィンは面白い思い出が出来たんじゃないかな?」


「まぁ、お前との話も面白かったし、こいつも上手かったし。文句はなしだ。」


 そう言って、仮装をすることなくお菓子入りの焼きそばを食べてハロウィンを過ごした小話です。

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嘘つきの旅 ヒロキノ @hirokino123421

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