手練れが語る、酸いも甘いも噛み締める女中奉公(?)物語
- ★★★ Excellent!!!
評者はカクヨムに小説を書くも評価が伸びずダメアマチュアの烙印を押されています。そんな評者は、今日(2025年5月11日)時点で星の数が伸びていない本作を羨望のまなざしで見つめます。この小説は出世階段を上る気がします。
文章力を褒めるのはストーリーやキャラ造形などを褒めようがなく最後に言い訳するためというのがセオリーですが、ここでは最初に文章力を褒めます。句点(つまり「。」)で終わる前の語尾のパターンを数え上げてください。とても多様でくり返しの文句が見つかりません。これは言葉の使い分けができることを意味します。小説を書くための基礎的技術ができあがっています。
基礎が頑健であることはストーリーやキャラ造形にも表れています。一癖あって綺麗事ばかりで済まない登場人物達(主人公だって綺麗事ですみません)に、予想を裏切るも後から見返せば伏線はキチンとあって最初から長いスパンで検討されていたと分かるストーリー。
これで面白くならないはずがありません。
実に楽しい!!!
主人公は言わば女中ですから、生活は楽なものではございません。しかし本人がパワフルですから、降りかかる苦労も何のその。目が離せません。視線が自然と主人公に向かいます。
とんでもない場所に来てしまった主人公、次は何を起こすのか。乞うご期待!!!