第5話 君の隣
ユリアが「おはよう。マヒロ」と挨拶をした。
マヒロが「おはよう。ユリア」と挨拶を返した。
ユリアは、ゆっくりと台所に立ち、朝ごはんの支度を始めた。
マヒロが「今日は、どんなご飯なんだろう?」とワクワクして居るとテーブルの上に何やら美味しそうなスクランブルエッグやトーストがお皿に乗って来た。
マヒロは「頂きます。わぁ、美味しいね?このトースト」と美味しそうに食べていた。
ユリアが「でしょ?このトースト美味しいのよ」と笑顔で答えた。
マヒロは「行って来ます」と黒いカバンを持って出掛けて行った。
ユリアは「行ってらっしゃい」とマヒロを見送った。
ユリアの大きなお腹は今にも大きくなって、いつの間にか動くにも「よいしょ」と掛け声を掛けて、椅子に座って居た。
ユリアが眠りについて居ると、何処からともなくドンドンとドアを叩く人が居た。
ユウナが「さっきから、赤ちゃんの声が耳触りでうるさいのよ」と苦情を言いに来たのだ。
ユリアは「私の家じゃありませんよ。違う家と間違えているんじゃ無いですか?」とユウナに話し掛けた。
ユウナは「さっきから赤ちゃんの泣き声が聞こえるから、てっきりそちらさんかと思いましたよ」と後ろの髪を手で掻いた。
ユリアは扉を閉めて「人間界に居ると、とてもきゅうくつで息が詰まるな」と心の中で思って居た。
ユリアは「天使の頃は、仕事で人間に幸せをもたらす仕事をしては、皆の笑顔が見れて楽しかったな」と嬉しそうに思い出話をしては涙が込み上げて来た。
その後、ユリアは子供を授かったのだが、子供を下ろす事に決めたのだ。
マヒロが「ただいま。帰ったよ」と家に入って来て、ユリアは、何処にも居なかった。
テーブルの上に置き手紙があって、「私は人間界の人とうまく付き合い切れなくて家を出る事にしました。子供は下ろしてしまったの。ごめんなさい」と手紙には書いてあった。
その後、マヒロは「僕は悲しいよ。でも、ユリアが決めた事なら仕方ないけど」とその場で泣き崩れてしまった。
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