第3話 長い道のり

タカシが「おーい、リサ。学校遅れんぞ」とリサに声を掛けた。

リサが「はーい、今行くよ」とタカシに返事をした。

タカシが「リサ、今日は一段と綺麗に化粧をして来たんだな」とリサに話し掛けた。

リサが「うん、ちょっとね?今日はオシャレしてみようかなと思ってね」と髪を下から撫で下ろした。

ユリアは「リサは良いな?学校と言う居場所があるんだもの。こんな家にいても退屈よ」と頬杖を付き、ため息を漏らした。

ユリアは、外に出るとリサの同じクラスメイトのマヒロに出会った。

ユリアが「私は、ユリア。あなたは?」と笑顔で声を掛けると、マヒロが「僕は、マヒロ。君は、ユリアさんか。よろしくね」と笑顔で返事を返した。

ユリアが「あのさ、私は天使なんだけど、この羽が傷ついて飛べないの?どうしたら良いのかわからないの?」と凄くしょげていた。

マヒロが「そう?僕は行き詰まった時、本当に何も出来なくなった時、その時こそ、今自分に残されたやりたい事、できる事をやって行く事が大切だと思って居るんだ」と陽の光に浴びて、笑顔が輝いて見えた。

ユリアは「そうなんだ。私は、どうしても空を飛びたくて、仲間が待っているから」とマヒロに真剣な顔をして話し掛けた。

マヒロが「じゃ、今はダメでもきっとユリアさんが信じるなら、うまく空を飛べるはずだよ」と優しく語りかけた。

ユリアは「今、マヒロ君のアドバイスを聞いたらなんか勇気が出て来た。話聞いてくれてありがとう」と満面の笑みをマヒロに向けた。

マヒロが「良かった。少しでも僕がユリアさんの力になれたのなら本望【ほんもう】だよ」とニコっと笑顔を向けた。

ユリアは家に帰り、痛み止めの薬をつけて翌日に鳥の鳴き声で目を覚ました。

ユリアは、スッキリして背伸びをし、すっかり羽の傷や赤みがなくなっていた。

リサは「もう、傷は治ったの?」とユリアに尋ねた。

ユリア「うん、もう治ったよ。でも、あの時に会ったマヒロ君とはもう、会えないかもしれないけどね」と少し寂しそうな顔をしていた。

ユリアはバサバサと翼を広げ飛んで行くと白い羽がマヒロの頭の上に落ちていた。

マヒロは白い羽を取り、リサが家から出てくると「マヒロ君、さっきユリアがマヒロ君にはもう会えないかもしれないけどね」ってガッカリした様子で空を飛んで行ったよ」とユリアの事をマヒロに伝えた。

マヒロが「白い羽、これ、ユリアさんの羽だね。もう飛んで行っちゃったかな?じゃ、僕も好きな事を再会させて、ユリアさんに負けないように頑張らなきゃ」と無理に笑顔を作って見せた。

ユリアは「マヒロ君とは、もう会えないのか?」と凄く寂しそうな顔をしてエンジェリックウォールまでの道を飛んで行った。

そこには何とも大きな歓声が上がり、「おかえりなさい。ユリア」と白い旗を掲げてユリアを出迎えた。

ナツメが「あの時は、ごめんね。ユリアも空が飛べなくて辛かったり、悲しかったんだよね?」と涙を浮かべながら、ユリアを抱きしめた。

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