第2話 飛べない羽
ユリアは「あ、おはよう」と天使の羽を縮めて、リサの部屋の片隅に座っていた。
リサが「おはよう。あの後ユリアのおかげで、キラキラな光に包まれて友達が増えたわ」と嬉しそうにしていた。
ユリアが「良かったわ。私の力があれば百人力よ」と楽しそうにしていた。
リサが「そうだ。羽の傷はどう?」と心配をして聞いた。
ナツメが白い羽をバタつかせてリサの家の窓からリサの部屋に入って来た。
ユリアが「あれ?ナツメどうしてこんなところに?」と驚いていた。
ナツメが「あら?ごきげんよう。ユリアが来ないからどうしたのかなと思ったら、いつの間にか羽に傷を負って、人間の女の子と一緒に居るのを見かけたって聞いたから来たのよ」と少し横目で外を見ながら答えた。
リサが「ユリアの知り合い?」と訊ねると、ユリアが「私の修練場のエンジェリックウォール見習い天使の仲間のナツメって言うの」とリサに紹介をした。
リサが「そうなんだ。心配をしてくれる友達がいて良かったね」と笑顔で返事に答えた。
ナツメが「別に名乗る者でも無いわ。ただ、皆が心配をしていたから来てあげただけなんだから」と少し不機嫌そうな顔をしていた。
リサは「本当に素直じゃ無い人」とナツメの素直じゃない性格を笑って見ていた。
ユリアは「うん、心配をしてくれてありがとう。もう傷も血も出てないから飛べるかな?」と羽を広げるとビリッと痺れる痛みが走った。
ユリアは「痛い。まだ飛べない」と片目をつむって、羽はまだ赤く腫れていた。
ナツメが「ほら?無理するから。もう少しおとなしくしていたら良いのよ」とユリアの身体を両手で支えた。
ユリアが「へへ、無理をしちゃったかな?」と苦笑いをしていた。
リサが「もう少し休まないと急には怪我は治らないから、無理しちゃダメよ」とユリアの気持ちをなだめた。
ナツメが「まぁ、無事だったユリアの事は他の天使にも伝えておくわね」とユリアに一言を置いて、エンジェリックウォールまでの道を羽を広げ飛んで行った。
リサが「わぁ、凄い。あんなに空高く飛べるものなのね」と目を輝かせていた。
ユリアが「そうよ。私も羽が傷ついていなかったら、今にも空を飛べていたわ」と空を寂しそうに眺めていた。
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