第6話 もどかしい

ユリアは「どうしたら良いの?子供まで下ろしてしまって…。私は、マヒロ君に合わせる顔がない」と悲しんでいた。

リサが「どうしたの?何かあったの?」とユリアが下を向いて居ると、心配でユリアの顔を覗き込んだ。

ユリアが「私は、ある愛するマヒロ君の子供を下ろしてしまって、苦しくて辛いの。もう人間界では暮らせない」と泣き始めた。

リサはユリアにタオルを渡して、ユリアは「ありがとう。リサ。私の気持ちを分かって話を聞いてくれるのは、リサだけだよ」と涙をタオルで拭いた。

リサは「ユリアは、今でも天使に戻りたいの?」と訊ねた。

ユリアは「やっぱり、人間界で暮らすのはやっぱりシビア過ぎたかもしれない。天使に戻れるなら、戻りたいな」と呟いた。

ユリアが「ルルージュ様。私は人間界での生活が上手くいかなくて、もう一回天使に戻りたいんです。お願いします」とルルージュに頼んだ。

ルルージュが「良いけど、でも、もし天使が嫌だと思っても、人間界に戻れないと思いなさい」とユリアに注意をした。

ユリアは天使の羽を持ち、マヒロが「待ってくれ。僕はユリアが居なくなったら、どうしたら良いんだ」と叫んだ。

ユリアは「でも、私は人間界で暮らして行くのが辛くて仕方がないの。子供の鳴き声がするってよく苦情が来ていて、私は人間じゃなくて天使に戻りたいな」とマヒロに伝えた。

マヒロは「分かった。此処じゃない。遠い所でひっそりと2人だけで暮らそう」と提案したのはいつの頃だろうか?

ユリア達は、一里離れた田舎町メリーナで暮らし、そして2人は幸せに末永く暮らした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る