「起きよ、承けよ、結実せよ!」魔術、発動!

主人公フラムは、師匠であり育ての親でもある煌炎の魔女マルゼスから破門を言い渡され、住み慣れた『隠者の森』から追放されます。

マルゼスのような魔術士を目指していた彼は失意の中、あてどなく森をさまよい、そして出会います。
白羽根の聖女と呼ばれる見目麗しい騎士姿の少女、フェレシーラに。

出会い当初こそもめるふたりですが、次第にフェレシーラが疑問を抱きます。
「なぜあなたは魔術が使えないの?」と。

そう。
フラムは稀代の魔女に師事したというのに「魔術が使えない」のです。

破門・追放の原因もそこにあると落胆していたフラムですが、どうやら魔術発動の要素はすべてそろっている様子。

それ以外にも、フラム自身、かなり謎を抱えた生い立ちであり、育ちでもあります。

2つ年上のフェレシーラはそれも含めてフラムと旅をすることを了承し、フラムは彼女と暮らす中で、自分自身を見つめなおすことになります。

かなり作りこまれた設定と世界観ですが、読者を置いてけぼりにしていくことはありません。

というのも、物語はフラムとフェレシーラを中心に進んでいくからです。
……なかにはめちゃくちゃ登場人物が増えていって「誰だっけ、このひと。もう手に負えない……」という感じの長編ファンタジーが多い中、この物語はしっかりと視点を主人公ふたりに据えていてくれているので、ぶれていくことがありません。

ボーイミーツガールの要素も含まれており、「鈍いぞ、フラム!」とツッコみなんかもれいつつ、ふたりの旅は続いています。

ぜひ、フラムの謎、世界の謎をお楽しみください!
(カクヨムコンテスト中は毎日更新の予定らしいですよ!)

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