追放され、失意のうちに旅に出た少年は運命の少女と出会う

 膨大な魔力を持ちながらうまく術法を操ることができないと判じられ、追放された少年の旅立ちと出会いの物語。

 主人公フラムは15歳までに術法を使いこなすという約束を守れずに偉大な師匠に破門され、やむを得ず住み慣れた隠者の塔から旅に出る。

失意のうちに出会った少女は白羽根の神殿従士と呼ばれる最強クラスの騎士だったが、彼女はフラムのことを魔物を思い込み、いきなり殺しにかかって来る。

 少女フェレシーラがフラムを襲った理由は、フラムとそっくりな見た目の魔物を討伐する役目を受け持っていたからであるが、そんな魔物が存在することですでに殺されかかるという被害を受け、後々の事を考え、フラムはフェレシーラに旅の同行を、強引な方法であったが勝ち取ることができた。


感想:長い間塔から滅多に外に出ない生活を送っていたフラムを、フェレシーラは初めは年下扱いしたり、術法の知識の無さを疑っていたが、2人で行動するようになってからは少しずつ打ち解け合い、信頼が深まって行く過程が非常に微笑ましい。

 1人で活動をする白羽根の神殿従士フェレシーラは時には逞しく、時には女の子らしいそぶりを見せるところがかわいいし、常に真剣で一生懸命なフラム君は応援したくなる。
 読んでいると2人といっしょに旅をし、時には笑い、時には泣いている感覚になる物語である。

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