ダークテイストの世界観がたまらない怪異討伐系ブロマンスバディアクション
- ★★★ Excellent!!!
近未来仮想舞台の日本。
未練を残して死んだ人間の魂が怪異化した存在、ゴースト。そんな彼らを狩るのが、特殊治安管理局の職員、通称〝ゴーストクリーナー〟の任務。ハンドラーと追跡官と言う、異なる職務を持つ二人でバディを組み、事に当たっているのだ。
溯春(そはる)と東雲(しののめ)はゴーストクリーナー。彼らはバディで、ゴーストを狩る日々を送っている。
元囚人で他者に一切思いやりを見せないクールな一匹狼のハンドラー・溯春。
犬の身体能力を組み込まれた超人で、優しく正義感溢れるワンコ気質な追跡官・東雲。
凸凹な二人がともに任務を遂行していくわけだが、それぞれの価値観と意見の対立と言った衝突が常に絶えない。
そんな中、二人の前にゴーストしか持ち得ない異能を持った人間が現れた。その者をゴーストとして〝処分〟する方法は、何とその命を奪うしかないそうで━━!?
殺す選択肢を執行しようとする溯春。
彼に執行させまいとする東雲。
果たしてその決着はどうつくのか……!?
真反対タイプの二人の青年が、己の価値観と向き合い前に進んでゆく、ホラー味とダークテイスト溢れる、近未来SFブロマンスバディアクション作品。
溯春は東雲を置いてきぼりにしたり、踏みにじるような態度をとったりする、中々癖の強いタイプ。そんな彼を放っておけない東雲は、溯春に何を言われようとされようと、彼にブレーキをかけたり、真正面からぶつかる、根性のあるタイプ。作中、互いに相手を思う気持ちが行動に見え隠れしているのを見て取れるのが、この作品の魅力の一つだ。
現在公開されているのは第一部とのことなので、今後公開されるだろう続編も、大変期待出来る作品である。
SF色は低めであるため、SF初心者でも楽しめる。ハードボイルドな作風、メンズバディ作品がお好きな方は是非一度目を通して頂きたい。