若草ドレスの物語

貴族が貴族であったとしても貧乏。というのが考えさせられる設定だと思いました。
私たちはファンタジーの物語であっても物語を読む時というのは無意識に共感性を探してしまうもので、「2代前の祖父母がお金を使い果たしてしまった」という描写などありますが、戦争前は国のお偉いさんの家系だった(私の家系がそうです)、日本の戦後のバブル期とその崩壊、などの経緯から、親からの自分の子供に貧乏を強いていることを理解していない高嶺の要望…近い家庭環境の経験を持っているの人も多いのではないかと思いました。それがファンタジーであり現実に起こりえない話であったとしても、読み始めに、コツンと、共感にひっかかる何かが描かれて…続きを読む

　美しいドレスを巡る奇跡のような物語。夢を持つことの大切さと運命の不思議を繊細に描いた、心ときめくファンタジー。それが本作です。

　貧しい令嬢ティアナと彼女を支えるメイドのノエル、舞踏会で出会う青年ジャン。彼らの交流の中で、夢見ることは人生を変える力さえ持つのだと教えられます。
　ティアナの情熱と努力、ジャンの優しさと誠実さが読者を惹きつけます。そしてティアナの持つ才能が未来へとつながる過程は、ロマンスを超えて大きな感動を与えてくれます。

　貴族社会の変化を背景に、登場人物たちは自らの力で新たな道を切り開いていきます。彼らの前向きな姿勢には、時代を超えて共感できる強さがあります。読み終え…続きを読む

貧乏で舞踏会に着て行くドレスも買えない主人公の少女。
その少女がスケッチブックに若草色のドレスをデザインしたところ、そのドレスがなぜか少女の手元に届きます。
その送り主は果たして誰か……？
とても素敵な結末でよかったです。

※読み合い企画からのレビューです

舞踏会へ行くためのドレスがないシンデレラじみた貧乏令嬢は、若草色のドレスをスケッチブックにデザインし、自分の心を慰める
しかし翌日、そのデザイン通りのドレスが届き──という不思議で素敵な導入から始まる本作品には、思いも寄らない結末が待っている
シンプルながらも練られた美しい構成、そして、すこぶる意外ではあるものの納得感のあるオチ
どこをとっても素晴らしい作品であること請け合いだ
五千字以内の短編なので、是非一度読んでみてほしい

いくつもの淡い色彩の中で
出会う奇跡……——

その時のささやかな感動は
いつまでも暖かく胸に残って……

心が暖かくなるお話でした⭐︎


企画に参加していただいて
ありがとうございます📚

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（279文字）