しかけえほん『カラダをあらいましょう』

注意①本作はフィクションです。登場人物は全て架空の人物です。
注意②本作には、残酷・グロテスクな描写が伴います。

——帝政ローマ。

絵本作家のアヌス・アラエヤカスは、五歳の皇帝ギタナイウスの家庭教師として、またその摂政として、懸命に働いていた。

ある時、ローマで、疫病が流行り始めた。

摂政アラエヤカスは、『衛生三原則』なるものをローマ市民に呼びかけ、これを疫病の防止策とした。

二回手洗。手洗いは入念に、必ず二回行いなさい。
毎日入浴。頭頂からつま先まで、入念に洗いなさい。
土足厳禁。足元や床を清潔に保ちなさい。

大人たちはこれに従った。
しかし、子供たちは違った。

幼君ギタナイウスも例に漏れず、面倒な衛生手順を嫌がり、アラエヤカスに反発した。

困ったアラエヤカスは、子供たちに…続きを読む