第14話挫折

健太郎は、全く書けなくなった。スランプに陥っていた。里穂が「先生、旅行に行きましょう。」と言ってきた。健太郎は、旅行嫌いだった。幼い頃ハワイとグアムに家族旅行で行ったが何が楽しいのか分からなかった。「台湾に行きましょう。」と里穂は勝手に手続きをサクサク進めて台湾に行く事になった。里穂は、健太郎の重たい腰を軽く引っ張って行った。「先生、わたし飛行機好きなんです。」と空港で里穂は本当に嬉しそうにニコニコしながら言った。健太郎は、正直、飛行機も苦手だった。飛行機の中で飛び立つ時に隣の里穂の手を強く握りしめた。怖かった。里穂は「先生、子供みたいで可愛いですね。」と手を握り返してくれた。


台湾に、到着するとずっと里穂がガイドのように色々な場所に連れて行ってくれた。美味しい料理。眺めの良い景色が見える場所。「ありがとう。」と里穂に健太郎はお礼をした。「先生、わたしが好きでやってる事です。お礼はいりません。」と里穂は少し恥ずかしそうに言った。不思議と健太郎は頭の中がクリアになってイマジネーションが浮かんで切れた糸が結ばれた。台湾から帰って来ると小説が書きたくて書きたくて仕方なくなった。健太郎の頭の中は無邪気な少年のように遊んでいる。


徹夜を繰り返して短編小説を書き上げた。


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