牛丼が沁みる····。


十年以上勤めていた会社から、まさかの解雇通告。解雇通知を受け取ってから30日までは社員。あと◯◯日のカウントダウン。上司や運良く会社に残れた同僚の言葉に苛立ちを覚える日々。そして、転職先が決まらないまま最後の勤務が終わってしまう。
夜の帰り道。空腹でふらっと入った牛丼屋さん。280円。手頃な値段である牛丼並み盛りを頼んだ····。

4000文字にも満たない短編小説の中に、ひとりの男の人生の重たい1ページが描かれているのです。まるでショートドラマを観ているかのような、そんな作品。なにか超展開があるとかそういう類いのものではなく、今日は駄目だったけど明日はもう少し頑張ろうかな、という小さな希望を抱けるような、そんな素敵なお話でした。

さらっと読めるのに、あとでじんわり心に沁みてくる作品。そして久々に牛丼が食べたくなりました(笑)

皆さんも牛丼片手にぜひ♪

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