落馬して目を覚まさない兄の代わりに皇女様が男装してなりすまし結婚。衝撃的な始まりに「え、すぐバレちゃうのでは!?」と焦っていたら、あら不思議。ルシール皇女、男装がとってもお似合いです。
女性なのに賢いという理由で徹底的に虐げられてきたルシールが、可愛らしい姫君ミシェルを娶って順風満帆な皇太子生活!その持ち前の賢さと凛々しさを生かして暴君父王とやんちゃな兄がしっちゃかめっちゃかにしていた国政をぐいぐい軌道修正!スピード感がとても心地良いです。
そしてミシェルもある秘密を抱えていて……。ルシールとミシェルは、出会うべくして出会ったのだと思います。13話でそう確信いたしました。とっっっってもお似合いです。ニヤニヤが止まりません。何はともあれ読んでほしい。
個人的にはルシールとミシェルに嵌められて追い出される形になった兄セザリオ様のオチがとっても良かったです。「ざまぁ」かと思いきや、うん、幸せならそれはそれでいいです……(笑)
こんな感じで楽しく読めるけど、文章の構成が本当にお上手なのでしっかり読み込むことができます。軽すぎず重すぎず、丁度いい。この辺を狙って書かれているのだとしたら、そのセンスに脱帽です。あっぱれ!
為政者としての賢いヒロイン、そして夫を支える妻としての賢いヒロイン(?)を両方味わうことができる素敵な作品でした!ぜひご一読ください!