明鏡止水～散華譚～

「私の命は―———貴方と共に」
　かつて、世界は三柱の女神によって創られた。ここは、ある事件をきっかけに真っ二つに割れた世界の片割れ―—。
　東國と呼ばれる大陸に、陵と呼ばれる国がある。この国は『水神』を唯一の神として信仰しており、王子は神使と呼ばれる奴隷と共に悪鬼羅刹と戦う。
　成人して五年が経ち、未だに奥奴隷を選んでいない平民出身の第三王子、炎雲は奴隷店で一人の少女と出会う。異国の血をひく少女、桜綾との出会いでゆっくりと止まっていた歯車が動きだす。