第2話 テストのあとに
チャイムが鳴り、新学期最初のテストの終了を告げました。
その瞬間、全身から魂が抜けたように脱力し、深呼吸をしました。最後の礼をした瞬間に、教室では歓喜の声があがりました。新学期の重圧がやっと取れたことを喜んでいるのです。
しかし、私はクラスの係で、クラスメイトたちから回収した提出物を先生に持っていかなければなりませんでした。つまり、このままさっさと家へ帰ることができなかったのです。
まず、提出物を回収する必要があります。さて、私はこのとき何を考えていたかというと、
(あらかじめ予告されていたことなのに当日に持ってこず、なぜわざわざチェックをつけるというひと手間を増やすのか…)
心の中でクラスメイトを非難していました。
ただ、忘れてはいけないのが、私は今体調不良だということです。いつでも心の中で提出物を出さない輩に悪態をついているというわけではありません。体調が悪いから、機嫌も悪いのです。ここを履き違えてはいけません(すみません、ただ私の正当性を主張したかっただけです)。
そして、回収し終わった後、先生のもとへ提出物を持っていきました。
提出物を渡したとき、先生に声をかけられました。
「大丈夫? 疲れ果てている感じがするわ」
この言葉をかけられるまで、私は自分が周囲の人からどう見えているのか分かっていませんでした。この、謎のアニメ調のちょっと丁寧な話し方をする先生に言われるまでは。
真剣に受け答えする気力も残っていなかったので適当に受け流しつつ、職員室を後にしました。これでやっと帰路につくことができたのです。学校の昇降口を出た瞬間、視界がパッと開けて明るくなりました。
昇降口を出て、まず白い空が目に入り、すぐに頬に水が当たりました。雨が降っていたのです。
ただでさえ風邪の症状がつらいのに、追い打ちをかける雨! このとき、どれほどの絶望をおぼえたことでしょうか。幸い折りたたみ傘があったのでよしとしましょう。
大多数の生徒より遅く学校を出たので、友達に会うことなく一人で家路につきました。いつまでたっても見えるのは自分の足、聞こえてくるのは雨の音です。全身は重くなり、一歩一歩を踏み出すのにいつも以上の労力がかかりました。水たまりが私の足元を映す度に、足の動きが鈍るようでした。このとき、なぜか「上を向いて歩〇う」が脳内再生されました。しかし、私はますます下を向くばかりでした。
もはや最大音量で聞こえてくるのは自分の荒い呼吸でした。自分の顔色がどれだけ悪くなっているか、想像する余裕もありません。たぶん、このときの私に「一番欲しいド◯えもんの道具は?」と聞けば、間違いなく「タ◯コプター」と返ってくることでしょう。
長い長い下校も、ずっと歩いていればいつか終わります。倒れることなく、家へ到着することができました。
すでに動く体力は残っていません。玄関ドアを閉めた直後、私は玄関に崩れ落ちました。家の安心感に包まれて、これまで頑張ってきた自分を褒め称えました。
それから何分経ったのでしょう、少し気分が回復してきたので、起き上がりました。学校のリュックを背負ったままだったので、少し「ふんっ」と腹筋を使う必要がありました。なぜ学校のリュックというものはこんなに重いのでしょう?
もうテストは終わりました。自分の回答を変えることはできません。しかしポジティブに考えれば、「風邪だったのにこんな高い点数取れたの!? 自分すごくない!?」と自己肯定感を上げるきっかけにもなりそうです。
しかし、もう二度とあんな
定期テスト最終日に風邪を引いた話 朝霞 凪 @hakutyumu1102
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