無気力とはいいたくなくて

釣ール

ランダムな選択肢と悩まされる毎日

 もう使える体力はほぼ残されていないのかもしれない。






 ふりしぼってまで何かをやる時代でもなくなってしまった。どうしてこうも生きづらいのだろう。






 そして人はいつも同じ場所にたって優しくはできない。

 なぜなら世界は誰にも優しくないから。






 現実との過ごし方で何かを決めつけられないように旅を続け、暑さに負けて、宿やりょうに逃げこんでいく。






 それなのに無気力と言い訳したくない自分もいる。

 語りたくない歴史れきしばかりの生活を送っていたのに。






 あみを張る蜘蛛くもがうらやましかったあじさいに網を張る蜘蛛くもから家で虫をとらえる蜘蛛くもがうらやましく思えるだけになった。






 それでもまだあきらめない。

 いずれ空を子蜘蛛こぐもの時に糸と風で飛んで住処すみかを探していた時よりも新しい気持ちでここを出よう。






 また空を飛べば鳥にねらわれるかもしれないし、人につぶされるかもしれない。






 それでも本能ほんのうが・・・気持ちがたかぶっているのなら分かっていても行ってみたい。





 怖いのが当たり前だと知ったからこそ生きて空を見るために今日できることからいどむことにする。




 無気力だからと流されたくないから。

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無気力とはいいたくなくて 釣ール @pixixy1O

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