漫画家デビューした友達

第1話

男「美菜子ちゃん。漫画家デビューしたんでしょ。すごいね」

女「まぁね」

男「デビュー作で1000万部突破なんて本当にすごいよ」

女「でも漫画って一人で作ってるわけじゃないよ」

男「うん。知ってる。背景とかはアシスタントが書いてるんでしょ？」

女「そんな感じ。でも私のところだともっと細分化して作ってるの」

男「え？　どういうこと」

女「おおまかなストーリーを考える人、キャラの名前を考える人、技の名前を考える人、地の文を考える人、セリフを考える人、キャラを描く人、背景を描く人。……みたいな感じでね」

男「でも、ストーリーを考えてる人は美菜子ちゃんなんだからそんな謙遜しないでよ」

女「いや、私ストーリー考えてないよ」

男「……へ？」

女「このご時世、漫画家自体にも肩書きがないと売れないんだよ。だから、私の美人な東大生って肩書きを編集部に売ったの」