22時半の夢

ぽんぽん丸

22時半の夢

空は肌色。川沿いの工場地帯。トラックが等間隔で走る。同じトラックが列になって走る。歩道はない。白線だけが道路の領域を分ける。地デジカが私を追いかける。地デジカはトラックをちらちら見る。私は逃げる。地デジカにつられて私もトラックをちらちら見る。トラックは私達よりずっと速い。でも等間隔。タイヤの回転数までぴったり合っている。車列は前にも後ろにもどこまでも続く。


しばらくして私が息を切らせて立ち止まると地デジカは息を合わせて停止する。私が申し訳なくなってまた走り出すとさっきと同じようにトラックよりずっと遅い速度で追いかけっこは続く。


目が覚める。


体が重い。何日も暑い日に走り回った週末に早起きして友人達と遊びにいった。家に着いたのは20時頃でご飯も食べずに寝入ってしまった。頭を持ち上げることが難しい。上体を起こすと肩に重力を感じる。足は思ったより動く。


もう米はない。なぜだかこの国には今米がない。冷凍食品のエビのソースのトマトパスタをレンジにかける。


地デジカを久しぶりに見た。もう彼の役目は何もない。夢の中で私を追いかけることが今年に入ってはじめて与えられた彼の役割。誰もが知っている。だけど何もすることがない。良いお年を。今年最後の挨拶がふさわしい。


PCデスクにパスタを置く。パスワードを入力するとデスクトップが映る。そのわずかな間にパスタを混ぜる。熱いところとまだ凍ったままの硬さを持った部分がある。しばらく混ぜると全体がちょうどよくなる。


カクヨムを開く。もうすぐ500円貰える。そのために毎日出がらしを投稿する。


おもしろいかどうかではない。毎日投稿することを誇りにすればいい。成績が悪い人でも皆勤賞なら賞状が贈られる。


さて何を書こう。エビのソースのトマトパスタを口に運ぶ。このパスタは198円。

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22時半の夢 ぽんぽん丸 @mukuponpon

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