ホラー小説の面白さを再認識させてくれる、まぎれもない逸品!

 「ホラーってやっぱり面白いなあ」と、しみじみと感じさせられる小説です。

 じわじわと迫ってくる何か、明らかに言動とかがおかしい人々、狂気に満ちた張り紙や記録。
 モキュメンタリーという形式で、そうした「やばい何か」が次々と提示されていきます。
 そうしたものを見ていく中で、「この怪異の正体は何か?」と疑問と好奇心を強く刺激され、気が付けば主人公と一緒に資料に見入り、裏にある真実についてあれこれと想像を巡らせることになっていきます。

 これこそまさに、「怖いもの見たさ」そのものと言えるでしょう。この作品はとにかく、そんな感情を刺激することに秀でています。

 ホラー小説の面白さを「これでもか」と味わわせてくれる、まぎれもない傑作です。

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