じわじわと、そして最後には爆笑します

 読んでいる内にじわじわと笑いがこみ上げます。そしてラストには大爆笑でした。

 面接官による『二人称』で話が進み、会社を受けにきた応募者に対し、一人の面接官が色々と話しかけていきます。

 そして、質問に対する答えが「どう考えても採用試験に受からなさそう」という低スペックなものばかり。それでもニコニコ笑って答えているであろう面接官を見ると、気の毒なような感じがして、だんだん頬が緩んできます。

 途中で会社側の内情なんかも見えてきて、「割とどっちもどっち」な感じが出るのとか、少しずつ面接官の態度が豹変してくるのが最高でした。

 おそらく読者も感じたであろうことに盛大にツッコミを入れてくれる爽快さ。そして日本社会(というか世界共通?)の『業』を描き出したある種ブラックなオチ。
 何から何まで楽しすぎる短編でした。