第7話絶体絶命?!
「まずは、お前ら二人からだ!」
ヤスから拳銃を受け取ったアニキは、まずシチローとてぃーだにその銃口を向ける。
「あぁ、まったくついてない……こんな所で子泣きじじいに殺されるなんて……」
「だから子泣きじじいじゃね~っつってんだろ!」
「アタシ達、死んだらここのお寺で供養してくれるのかしら?」
「知るか!死ね~~っ!」
BAN!BAN!
「ぎゃああああぁぁぁ~~~~~っ!」
闇夜に響く、二発の銃声。そして、それと共にシチローは悲鳴を上げ、膝から崩れ落ちた。
「キャアア!シチロー~!」
それを見たてぃーだ、子豚、ひろきの三人は信じられないといった表情でシチローの名を叫んだ。アニキからシチローまでの距離は、わずか五メートル程しかない。この至近距離からアニキが標的を外すとは考え辛く、しかもこの至近距離から38口径の銃で撃たれたのであれば、シチローの命も絶望的であるだろう。
チャリパイシリーズ10作品の間、どんなピンチに陥ってもその悪運の強さで誰一人欠ける事なくここまでやってきたが、こんなところに罠が仕掛けてあったとは、いったい誰が考えていただろうか。
* * *
シチローは死んだ。
読者の皆さん長い間、シチローを応援して下さって本当にありがとうございました。
「……………って、人を勝手に殺してんじゃね~~よっ!」
「あれ?シチロー、死んだんじゃなかったの?」
どういう訳かシチローに銃弾は命中せず、シチローはかすり傷ひとつ負ってはいなかった。
そしてなぜか、地面に倒れてのたうちまわっているのは、アニキとヤスの二人であった。
「うぎゃあ~!痛え~~!」
「いったい何があったの、暴発?」
訳もわからず、4人が呆然としていると、寺の影から銃を持った1人の男が現れた。
「危ないところだったな! シチロー!」
シチローの名前を知っている、この男は……
その名前を子豚が呼ぶ。
「あれ~? アンタ『ジョン』じゃないの!」
「久しぶりだな。チャリパイの諸君!」
「あっ! お前は!『チャリパイEp.3~大統領の秘密~』https://kakuyomu.jp/works/16818023213311217146 で、大統領の秘密が書かれたノートを奪還に森永探偵事務所まで乗り込んで来た、CIAのエージェントのジョン・マンジーロじゃないか!」
「只今、絶賛掲載中~!」
「何気に宣伝してるし……」
ジョンは、偶然この寺のそばを通りかかり……アニキに銃で撃たれそうになっていたシチローを助ける為に、持っていた銃でアニキとヤスの腕を狙撃したのである。
「いやあ~助かったよジョン。ありがとう!」
「なに、礼には及ばんよ。私くらいになれば、このくらいの事は朝飯前だからな」
「ところでジョン……何でアンタが六つ墓村にいるのよ?」
「そうだよ、東京ならいざしらず、どうしてこんな温泉なんかにいるんだ?」
「え?あ…いや……実は、私もこの男達を追っていてね……」
「そうなの……CIAも彼らを追ってたの?」
「あ、あぁ~そうそう! 彼らは国際手配されていてね」
(まさか商店街の『福引き』で当たったから来てるなんて言えない……)
なにはともあれ……
シチロー達はアニキ達を捕まえ、幽霊騒ぎは無事解決したのだ。
「あっ!そうそう、そういえばこの二人に訊きたい事があったんだ……
あの、さっき消えた蒼白い『女の幽霊』…あれはどんなトリック使ったんだ?」
アニキとヤスは、顔を見合わせて言った
「おいヤス、そんな幽霊やったっけ?」
「いえ…女の幽霊なんてやった覚えないっすけど……」
「じゃあ…あの時見た幽霊はいったい………」
六つ墓村のたたりじゃ~~~~!
おしまい
六日間にわたりお届けしてきました『チャリパイ番外編』 もしもチャリパイに興味を持っていただいた方は、是非とも本編のチャリパイシリーズの方も覗いてみて下さい。
作者より
チャリパイ番外編~慰安旅行に行こう~ 夏目 漱一郎 @minoru_3930
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