概要
野をたたみポケットに入れ還りゆくわたしは銀の背文字であつた
短歌連作10首です。よろしくお願いします。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!湖心へとむかふ心臓捧げもつをとめよ白くほそき項よ
歌に澄んだ響きがあり、見るというよりは聴く連作という感じがした。
それはおそらく一番最初に置かれた
・湖心へとむかふ心臓捧げもつをとめよ白くほそき項よ
の「よ」の連続に打たれた結果そう感じたのだと思う。
「湖心へと」「むかふ心臓」「捧げもつ」「をとめよ白く」「ほそき項よ」……。
「湖心へと」と静かに、すみやかに始まる歌は「むかふ」「捧ぐ」「持つ」(「捧げ持つ」は一語か)
という動詞が細かくリズムを刻む。
そして「をとめよ」と一つ目の「よ」が大きな頂点を成す。
しかし「をとめよ白く」という七音に組み込まれた「よ」は既に次の流れを用意している。
そして「ほそき項よ」! と結ばれるのだ。
音…続きを読む