溺愛皇太子と推しに尽くす従者に挟まれた幼女の無双劇!?

シュヴラン王国の公爵令嬢・ユリアーナは十八歳から四歳の体に変わり、バルリング帝国皇太子・フォルクハルトの婚約者となりました。
この物語は乙女ゲームの世界観ですが、一風変わっているのは、地球は日本から来た人物が主人公ではなく彼女の従者・エンゾであるという点です。
更に面白いのは、エンゾはゲームの中で悪役令嬢であったユリアーナが『推し』であり、彼女を幸せにしようと行動します。

悪役令嬢と日本出身の従者、という組み合わせだけでも楽しいのですが、本作の魅力をより際立たせているのはやはりキャラクター性でしょうか。
主要なキャラクター、ユリアーナ、エンゾ、フォルクハルト皇太子の三人とも芯が通っており、ぶれがありません。それでいて、三人とも性格こそ違うものの人間味溢れる可愛さもあり、読んでいて楽しくなります。
他にも、バルリング帝国の第二皇子エトガルは、七歳と歳相応の幼さと弱さを持ちつつ、その背景にある家族関係も練られているため、彼の成長を見て見たいと思わせられます。

とにかく、それぞれのキャラクターの特徴と関係性が良いので、この先の関係性の変化や成長などが気になります。
個人的に、エンゾがとても気に入っているので、ユリアーナとフォルクハルト皇太子の恋路の果てに彼がどうなるのか気になります。
そして、見た目四歳のユリアーナは元の姿に戻れる日は来るのか、はたまた結婚適齢期になるまで皇太子は待つのか?

楽しくコメディちっくながら締めるところは締めるストーリーと、魅力溢れるキャラクターたち。
是非、ご一読ください。

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