第7話 入学して
ついに入学の日を迎え学校に向かうとちょうど校門でキイサとクルーノにあった。
学校に着くと僕らはすぐに学長室に呼ばれた。
「ようこそ、魔法学校マギナスウィリア校へこの度は入学おめでとうございます」
「「「「ありがとうございます」」」」
いかにも貫禄があるその人は僕ら一人一人の顔を眺めているようだった。
特にリフィアを長く見ていた気がする。
「私はこの学校の校長を務めているベテル・スコープと申します
では、あなたたちにこの学校の制服と入学証明書を差し上げます」
そういってふわふわと自分の手の元に制服と一枚の紙が降ってきた。
「これが制服か、あこがれたものが自分の手の中にあるなんて夢みたいだよ」
キイサは制服を抱きしめると少し涙目になっていた。
「あと、これも」
そういって僕とクルーノに鍵が渡された。
「これは我が校の寮のカギです、二人一部屋なので男女の二人で仲良く使ってくださいね」
「わかりました」
「では、あとのことはそこの生徒が教えてくれるので、私はこれで」
そういうとふっと姿を消してしまった。
「すごい貫禄のある人だったね」
そんな感じで緊張をほぐしていると、扉のほうに生徒が数人立っていた。
その数人に僕らはある程度の学校の案内や教室の位置などを教えてもらい僕らが通うクラスまで案内してもらった。
それと生徒にそのまま寮生活が始まると聞いたのでリフィアにいつも使っている変化の魔法を教え、寮で二人と別れた。
「キイサ、君はどのくらい魔法ができるんだ?」
「俺には才能はないから自分で学んだんだ、使えるといえばほとんど二級攻撃魔法くらいかな」
そういって持っている杖をくるくるとまわしながら自分の部屋へと向かった。
部屋は案外い広く二人でも十分に使える広さだった。
それに部屋の中を見るともう、必要と学校に行っておいた荷物がすべて運ばれており準備などが楽にできそうだった。
「これはすごいな」
「そうだよな、思った以上に快適に暮らせそうだ」
実際これから三年間ここで暮らすので不満はないほうがいい。
しかし、リフィアのほうは相部屋なのでクルーノに秘密がばれないのか心配だ。
そんなことを考えていると教室に呼び出された時間になり僕らは教室に向かった。
教室に着くともういろんな生徒が席に座っていた。入ってくると同時にリフィアたちも今教室に着いたようだった。
教室に入るとすぐに数名の生徒に話しかけられた。
「なあなあ!あの、難しい編入試験に合格したって本当か」
そんな質問に受け答えしているとリフィアも入ってきてリフィアとクルーノに視線が行くことが分かった。
たしかに二人は種類は違うが美人でかわいい容姿をしているのはわかる。
ただ、これが男子だけではなく女子まで引き付けてしまうのだから驚きだ。
「ねえ、二人は何て名前なの」
「どうして転入試験受けたの?」
「どんな魔法が使えるの」
そんな質問がリフィアにも飛んできて、あたふたしていた。
助けようとしたがその時、教師がばんっと本で机を軽くたたいた。
「少しは静かにできんのか貴様らは」
そうあきれ顔でいう先生の顔は見覚えがあった。
「たしか、転入試験の時の」
「あ!そういえばそうだ」
キイサもわかったようで手をたたく。
しかし、そんな僕らを、冷たい視線で一蹴する。
「とっとと席に座らんか、これ以上私に必要以上の仕事をさせるな」
(なんか、やばいせんせいにあたってしまったようだな)
席に座ると、さっきまでのザワツキがなくなりシーンと静まり返った。
「では、今朝の四人前に出ろ」
そう言われ僕らは教卓の前に出る。
「一人ずつ自己紹介をしていけ」
そういわれ一番アドリブでできそうなクルーノにトップバッターを任せた。
「私の名前はクルーノ、基本的な魔法は使えるからこれからよろしくね~」
その次にキイサ、僕、最後にリフィアの順で自己紹介をしていく。
「私の名前はリフィアです。これから皆さんと一緒に学べることを楽しみにしています」
自己紹介が終わり集会もそれと一緒に終わったようなので生徒は席を立ち、僕ら四人の周りに集まってきた。
四人の中でクラスメイトが一番集まったのはリフィアでその次がクルーノそして同じくらいだったのがキイサと僕だった。
「あの二人すごいね」
「ああ、同感だ」
「ねえ、キイサとセントだったよな」
「ああ、そうだよ」
「ふたりは、どうやって難しいといわれる試験を突破したんだ?」
「それはもう、気合と根性よ」
「違うよ、チームワークだったじゃないか」
そう自信満々に言うキイサに突っ込みを入れながら
話を戻す。
「でも、これからわからないことも多いと思うから、いろいろ教えてくれ」
「はい、よろこんで、あと、僕の名前言ってませんでしたね、
僕の名前はリエル・ワーグナー、リエルって呼んで下さい」
「これからよろしくリエル」
こうして、ほとんどクラスメイトとの交流がおわりほとんど説明だった授業を終えて四人で寮へとも戻っていった。
「リフィア、今日大丈夫だった?」
「ええ、少し慣れないことで大変でしたけど、あんなにいろんな人と話せて楽しかったですよ」
「それならよかった、じゃあまた明日」
「それじゃあ」
そう言って僕らは別々の建物に向かう。
「なあ、お前ら付き合ってんの?」
「いや、それはないかな、あくまで同じ目標に向かっている協力者みたいな感じだ」
「へ~いつか、その言葉かわるといいな」
「まあ、ないと思うけど」
そういいながら、一日を終えた。
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リフィアは地上で何を願う クヨミ @kuyomitadasi
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