第2話 旅立ちの日

驚きを隠せないでいたリフィアだが対照てきに

セントはいい考えだと満足な表情を浮べでいた。

「でもセントさん、私のことわかってます?

人魚なんですよ?バレたら殺されるかもしれないんですよ」

「確かにそうだ、だけどずっと暗い場所で待機するのも嫌じゃないか?

それに使い魔契約は絶対にどんなことがあろうとどちらかが死なない限りきれないんだ」

「そうなんですか、

でも私、魔法なんて魔法なんて使えないです」

「そこは大丈夫、杖持ってみて」

そう言って僕は杖を渡した。

「じゃあ、水をあの木に勢いよく当てるイメージをしてみて」

「わかりました」

そう言って杖を握りしめたままリフィアはじーっと木の方を見ている。

「想像できたら、アーリアと、、」

呪文を教える前にリフィアは水を木に勢いよく当てた、それも凹むくらいに。

「すっ、すごいよ、初めてとは思えない!」

「そうですか、ありがとうございます!」

リフィアは嬉しそうにヒレをくねくね振っている。

「これなら、心配なさそうだね、じゃあ、また明日出発しよう」

「なんで明日からなんですか?」

「もう日も傾き始めてるし、それに」

「それに?」

「君の服も買わないといけないから」

「そうですか、なら明日を楽しみにしていますね」

そう挨拶するとリフィアはまた海に戻っていった。



悪戦苦闘して買った服を持ち、海に向かうと、近くの海面から出ている岩礁の上に白銀色の髪が風で揺れているのが見えた。

「リフィアー!」

そう呼ぶと、声に気づいたのか泳いで向かってきた。

「意外と遅かったですね」

「ごめん、服選びに案外時間がかかって」

そう言って僕はリフイアに魔法をかける。


二度目だというのにもう足をうまく使っているのでその適応略には関心だ。

「じゃこの服を着てくれ」

そう言って服を渡すと水の中で過ごしているので服を着ないのか悪戦苦闘していた。

「ごめんなさい、どうやって着るのですか?」

僕は目のやり場に困りながらなんとか服をきさせることができた。

しかし、初めての女性の服だったことから自分も苦労してしまった。

しかし、その出来栄えはリフィアの姿と相待ってとてもいい出来だと思えた。

「これで、服の心配はなくなったな」

「わざわざありがとうございます」

「じゃあ、これから学校がある街に向かうけど

準備はできてる?」

「はい!もちろんです」


そう、青く澄んだ瞳で答えられた。


街まではすぐに着き、一旦は僕の家に辿り着いた。

僕の家には父も母もおらず自分1人での生活が続いていた。

「やっとついたね、足の方は大丈夫そう?」

そういうとリフィアはスカートを手繰りあげて素足を見せてきた。

「はい!問題ないですよ、やっぱり歩くだけでも違った感じがして楽しいです」

「ならよかった、、」

こんなふうに価値観の違いなのか、

時々、驚くようなことをしてくる。

俺はこれからこれに耐えなければいけないのか。

「じゃあ、このあと少しやりたいところがあるんだがいいかな?」

「はい!ぜひ!」

そう言って俺は唯一の知り合いがいる魔具工房へ向かった。

「こんにちはー」

「おっ!きたね、、えっ?」

「こんにちは」

少し驚いた顔でこっちに来てと手を仰いでくる。

「ねえ、あの子誰?彼女?」

「これから僕と一緒に学校に入る子ですね」

「いや、お前との関係を聞いているんだよ」

「実質的な繋がりはないですね」

そんなコソコソと話をしていると不思議そうな目でこっちを見てくるリフィアがいた。

「あー、紹介するよ、この人は僕の知り合いのサーシャ兄さん」

そう紹介するとリフィアは軽く会釈をする。

「私の名前はリフイア•アルセイヤ

リフィアと、呼んでください」

「おい待て!」

しれっと僕の苗字をとっているリフィアにツッコミつつ、なぜかダメージを受けている、サーシャ兄さんを宥める羽目になった。

それから数分経ちやっと落ち着くことができた。

「ところで色々あり過ぎて忘れていたがなんのようだ?ここに来る時は何か要件があるんだろ?」

「そうなんだ、実はリフィアのことで」

僕はあらかたの事情を兄さんに話した。

「なるほど、リフィアの魔物特有の魔力を人くらいの魔力にして欲しいと」

「出来ないかな」

兄さんは悩むそぶりを見せると思いついたのか手を叩き戸棚の中を探し始めた。

「これで多分行けるぞ」

そう言って出したのは金色の指輪だった。

「これは?」

「これは魔具で魔力喰いの指輪」

「魔力喰いの指輪ですか?」

「これは、装備車本人の魔力を指輪の中に溜め込み消費してくれる道具なんだ、どうだピッタリだろ!」

「確かにこれなら、魔力を減らせる。でも、減っても大丈夫なものなのか?」

「そこは心配ない、減らした魔力はそこから戻すことだって可能だから足りなくなることはない」

「へー、じゃあこれをもらうよ、いくらかな?」

「まあ、三十万セピアかな?」

「高くない?!」

「そりゃ、二級魔具だからな、値が張っても当然だと思うぞ」

「そうだけど高いんだよ」

あまりの大きな金額に驚いていると兄さんが仕方ないという顔で、無料で貸し出してくれた。

「兄さん本当にいいの?」

「ああ、どうせ持っていても買う人なんて本当の物好きな人しかいないからね」

「ありがとう!」

「ありがとうございます」

「なら、指輪をつけてみてよ」

リフィアが指輪を付けると兄さんが指輪についた、ダイアルをいじり始めた。

「人と同じ魔力量にするなら、だいたいこのくらいかな?」

そう言って、ダイアルをいじり終えると次は外見が変なメガネを持ってきた。

「兄さん?その変なメガネ何?」

「なんだよ変とは、これは魔力数値を測るメガネで結構使えるんだよ」

そう言って、メガネをかけてリフィアを見ると

「よし!これならバレないだろう」

そう言って、調整が完了した。

「リフィア、体が思いとかない?」

「いいえ、特に変わったことはありませんね」

「なら、よかった」

にい

「あと、本当に魔物に勝てそうにない緊急の時だけ、ダイヤルを一番はじに回してね」

リフィアはなぜかわからず首を傾げてしまう。


僕らは兄さんに深々と頭を下げて店を後にした。


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