捨てられ忘れ去られた芥(ごみ)に価値はあるか。

古いものや古い文化がだんだんと廃れ、新しい異国の文化を取り入れて、ごちゃまぜになっている頃の時代背景を舞台にした、明治時代風な、和風ファンタジー異類婚姻譚です。

田舎から奉公に来たはずが当てが外れ、しかしその運命的な出会いによりとあるお邸のお嬢様に拾われ?た主人公、くるみ。

彼女の初仕事は、裏山のごみ山にごみを捨てに行くことだった。くるみがごみ山を見て思ったこと。

「もったいないなあ」

そこにはまだ使えそうなものがたくさん捨てられていたのだ。洗えばいけるかも···肥料にできそう···あれもこれもまだまだ使い道がある! そう考えたくるみは、ここに来る前に約束させられた『あること』をすっかり忘れ、ごみ山に夢中になってしまう。

桶に物色したごみを詰め込み、さあ帰ろうと立ち上がったその時―――、

「ドロボー! 僕の供物を勝手に持っていくな!!」

真っ黒な翼が、くるみの視界を覆った。黒い翼を持つその少年は、芥(あくた)という名のごみ山の主だった。
芥はくるみの宝物の指輪を奪うとさっさと去ってしまう。

ひょんなことから出会ってしまったふたり。くるみは指輪を返してもらうため、芥と交渉するのだが····。

とにかく、微笑ましいふたりのやり取りにほっこりしたりくすりとしたり、どきどきハラハラしちゃうのです。
途中からお嬢様も絡んできて、これは三角関係か? と腐な脳の私は今後の展開が楽しみでしょうがないのです。

が、作者さまのほぼ全作品を読んでいる私が思うに、いつ胸をぎゅっとされる苦しくて切ない展開が待っているかわからず、油断できません(笑)

和風ファンタジー、異類婚姻譚がお好きな方はもちろん、恋愛ジャンルが好きな方はぜひ読んで欲しい作品。

ふたりの恋の行方がどうなっていくのか、もしくはお嬢様ルートはあるのか、まだまだ序盤なので一緒に見守りましょう!

コンテスト応援してます(๑•̀ㅂ•́)و✧

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