第132話 この街の日常
わたしとルオラは暫くの間、危険の無い仕事をする事に決めた。
どこの街でも食堂は薄利多売の方針を取っていて、価格設定が安い。自炊するのと大して変わりが無いから、持ち家があっても外食を選ぶ人は多い。
収穫期は朝から晩まで働く人が多いから、自炊をする人はさらに減り、今の時期の食堂はとても忙しい。だから、わたし達は当分の間、食堂の給仕の仕事で雇ってもらえる事になった。
どちらかといえば愛想良くするのは嫌じゃないから、人と接する仕事はそれほど苦にならない。
注文を聞き、料理の皿を運ぶ。不愛想なお客さんも居るのだけれど、毎日に近いくらい会えば様子も変わってくる。いつものお客にいつもの料理。覚える事も多かったけれど、忙しくしているうちに時間はすぐに過ぎていった。
ジオの療養期間の三週間は、本当にあっという間だった。
遠い昔に失くした物語 丸千 @sen-maru
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