テロリストに乗っ取られたVRMMOはデスゲームに。生き残るために殺せ。

正統的なVRMMOもの――と見せかけて、中身はかなりのハードボイルドアクション。

モンスター退治の冒険もありますが、メインはそっちじゃないんですね。
ゲームを乗っ取ったテロリストとの、PvP、という名のガチ殺し合いがメインとなります。

主人公がやってたVRゲームがテロリストに乗っ取られて、ログアウトできなくなっちゃうんですね。
しかもゲーム内で死ぬと、現実でも死ぬというあれです。
生きて帰るには、彼らと戦って殺すしかありません。

戦闘自体はゲームのシステムに則って行われるわけなので、やってることはゲームの対戦ではあるんですが、勝てば自分は誰かを殺すことになるし、負ければ自分が死ぬことになる。

ゲームなので自分や相手の命が、HP,という形で可視化されてるわけですが、それを削り合うという行為が、なんていうか、おぞましさを感じるんですね。

本来は目に見えない命という概念が、見えてしまっていて、それを奪い合ってるっていうのがありありと見せられるわけですよ。

これがすんごい、生身での殺し合いとはまた違った不気味さや残酷さがあるんですよね。

物語の方向性としても、そういった極限状況での人間ドラマをガッツリ描いており、読み応えを感じます。


こんな方にオススメ。

:人同士の命を賭けたやりとりを、ガッツリ掘り下げる系デスゲームが好きな方

:世界観は正統派なVRMMOだけど、ストーリーは変わり種な物語を探してる方