【結】不思議な国

 とてもとても不思議な国があった。



 その国の王様は誰に対してもひどい言葉を浴びせかけていた。

 王様は誰からも嫌われ、恐れられていた。


 それなのに、その国に住んでいる人たちは幸せだったのだ。



 誰からも嫌われている王様は、農業・畜産業・漁業に惜しみなく援助して。

 国民たちに、常に最高の食材を作らせ続けていたから。


 そのおかげで、毎日おいしい食事を摂ることができたから。



 舌が真っ黒。悪魔の舌を持つ王様の国は――


 世界各国が羨む、美食の国として長く栄えたのだった。






〈了〉

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黒舌のグレモラ Win-CL @Win-CL

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