第8章:新たな夜明け

 真理とサラが意識を取り戻したとき、世界は既に変わり始めていた。「宇宙意識」との対話は、全人類の意識に直接伝わっていたのだ。


 人々は、自分たちが宇宙の一部であり、同時に宇宙そのものでもあるという真実を受け入れ始めた。国境や人種、宗教の壁が急速に崩れ始め、地球規模での協力体制が構築されていった。


 環境問題や貧困、戦争などの課題に対しても、新たなアプローチが生まれた。人類全体が一つの有機体のように機能し始めたのだ。


 真理とサラは、この変化の中心にいながら、同時に一歩引いた立場で状況を見守っていた。


「私たちが始めたことが、こんな結果をもたらすなんて」


 サラが、研究所の窓から外の景色を眺めながら呟いた。

 真理は後ろからサラを抱きしめ、優しく答えた。


「そう、でも、これは終わりじゃないわ。むしろ、人類の新たな旅の始まりね」


 二人は、互いの温もりを感じながら、未来への希望に胸を膨らませた。

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