荒れ狂う川と、それを取り巻く神、鬼、人。本作は、世界の境界がまだ曖昧だった時代を描く、不思議な昔話のような幻想譚です。神や鬼が登場しながらも語り口は静かで、どこか懐かしさがあります。若者が「川を鎮める」という願いのために選択を重ねていく中で、願うことや信じることの意味が、少しずつ違って見えてくる展開が印象的でした。読み終えたあと、冒頭の描写をもう一度読み返したくなる一編です。心地よい余韻を楽しみたい方や、昔話や神話的世界観が好きな方におすすめします。
荒れ狂う川に苦しめられる人々。そのなかの一人である若者は、ある日、夢の中にて、川の上をおどる女の姿をみる。その女こそ、自分から家族を奪った川の氾濫を鎮めてくれることを信じて、若者は、神にまみえ鬼に遭い、雲の上から海の底まで探し歩く。しかし……これは己の半身に、ようやくめぐり合う物語。
荒れ狂う川に家族を奪われた若者がある日、夢を見た。月夜に川の上で踊る女の夢。そのひとならば、川の氾濫を静めることができるかもしれない。こうして、若者はその女人を探すことにしたのだが……。本作は、昔話の形式で物語られる、美しい幻想小説だと感じました。物語の展開や、神や鬼といった登場人物は昔話風ですが、紡がれる言葉のひとつひとつが静謐さと煌きを持っており、まさしく朧月夜のような世界観でした。そして、この物語から、夢を叶えるために大切なことは何か、ということを教えていただきました。素晴らしい物語です。是非ともご一読ください!
行動力、勇気や覚悟、信じる気持ち。夢を実現させるために必要なものを教えてくれる、心に残る昔噺でした^^
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