人でなく、魔でなく、神でもなく、冥王。それ以外に言葉はいらない。

病により死んだ男は、目が覚めると知らない世界で幽霊として存在していた。
記憶はあるがあやふやで、家族や友のことは思い出せない。
しかし、男には膨大な知識があった。病院生活の暇をつぶすために得た知識だけは残っていた。それがただの偶然か、彼にとって知識が家族より大事だったのかは分からない。
ともあれ、幽霊となった男が持つ知識は魔術なるものがあるその世界で有用だった。
四元素二極。炎・水・風・土の四つの元素とそれらに付随する自然の二面性。
巧妙に作り込まれた魔術の設定は見るだけで興奮する方も多いはず。
しかし、その男が行き着く先は理の外。
他とは一線を画す存在である『王』にのみ許された力。
魔法である。
男────高光修。もとい、シュウ・アークライトが到達した魔導のその先は死魔法。
それは最早死という概念そのもの。

故に、冥王。それ以外に彼を表す言葉はない。

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