あとがき

 乱れずに育ってほしいのなら、千枝美ちえみあいを科学部に引っぱり込んだりしてプレッシャーを与えなければいいのに……。


 というわけで、ここまで、つまり千枝美による雲の解説までお読みくださいましてありがとうございます。

 千枝美による雲の解説は、氷晶の大きさをかき氷にたとえるのとかは不正確だと思いますけど、それほど不正確にはならないように気をつけたつもりです。

 台湾かき氷、また食べたいなぁ。

 スーパーで売っている「白くま」はときどき食べてるんだけど(発祥の地は鹿児島だそうですけど)。

 白くまはきっと桃子ももこさんも好きに違いない。


 この物語を最初に書いたのは2013年のことでした。

 この後、何篇もの物語で展開する「明珠めいしゅ女学館じょがっかん第一高校 対 瑞城ずいじょう女子高校」のライバル関係を最初に書いた物語です。


 私が小さかったころ、私の家は駅から少し離れたところにありました。

 『アライ池の花屋さん』

https://kakuyomu.jp/works/16818023212323225412

に書いたところですね。

 ただし、記述には潤色が入っていて、このとおりではないですけど。

 というか、いま読むと、家のまわりについての描写には、この文章を書いたころの私の気分がすごく反映してるな、と、思ったり……。

 なんか事実以上に「たそがれてる」感じがします。


 その家の近くに高校が二校あって、その二校の高校の駅からの通学ルートにあたっていました。

 その二校は、制服がまったく違っていたので、幼かった私は、この制服を着ている生徒と、あの制服を着ている生徒は仲が悪いに違いない、と考えて、そのライバル関係のようなものを想定していたのです。

 それからとても長い時間が流れ、高校生少女たちの「なんとなく百合っぽい」お話を書くようになったころにその「設定」を思い出し、取り入れたのが「明珠女(第一) 対 瑞城」のライバル関係でした。


 ちなみに、その片方の学校は、当時は「質実剛健!」という感じの、何の飾り気もないブレザーの制服でした。

 ところが、先日、帰省して、うちの近所に「なんか見たことのないおしゃれな制服の生徒たちがいっぱいいるなぁ」と思って見ていると、それが、当時は質実剛健なイメージの制服だったその学校の生徒たちでした。

 う~ん。

 確かめるためにホームページを見てみると、グローバルとかキャリア指導とか、いろんなことが書いてあって、昔の質実剛健志向一本というイメージからは大きく変わったみたいですけど……。

 ……なんか、そのぶん、学校の個性がわかりにくくなった……?


 なお、この物語はフィクションですので、登場する個人・学校などは架空のもので、実在しません。


 当初は明珠女の生徒を中心に書くつもりでいたのですが、マーチングバンドや生徒会の物語を書くようになって、瑞城の物語も増えました。

 なお、千枝美がちょっと言っていますが:

 『瑞城女子高校四月物語』

https://kakuyomu.jp/works/16816927862088507961

に新入生として登場する毛受めんじょ愛沙あいさ村上むらかみ富貴恵ふきえと;

 『明珠女学館第一高校春物語』

https://kakuyomu.jp/works/16818023212460530254

白川しらかわ桃子さん(愛、樹理じゅり、千枝美の一学年上)が同学年です。

 また、明珠女では桃子さんの二学年上が、『明珠女学館第一高校春物語』の「友加理ゆかりのひな祭り」

https://kakuyomu.jp/works/16818023212460530254/episodes/16818093073751223641

若尾わかお友加理の学年で、この学年が、『遥か昔のエジプト精神』

https://kakuyomu.jp/works/16817139556810135815

とかに登場する向坂さきさか恒子つねこさんたちと同じ学年になります。


 瑞城の生徒たちの物語が上の学年中心になってしまったので、せっかく登場した倉垣くらがき千幸子ちさこの登場する物語が、いまのところこの物語以外になかったりしますが。

 未完成の『鳥はなぜ飛ぶのか』に出て来る「プリンパーティー」のエピソードが、いちおう、この後日譚にあたります(その「プリンパーティー」にたぶん千幸子もいた)。

https://kakuyomu.jp/works/16817330660533048025/episodes/16817330661351174687


 これからも両校の生徒たちがいろいろな物語に登場することになると思いますので、何とぞよろしくお願いします。


 暑さ厳しき折、くれぐれもご無理なさらぬよう、お過ごしください。

 先週末とか、職場で会うひと、みんな暑さで疲れ果てていましたからねぇ。

 ほんとうに無理なさらぬようお過ごしください。


 清瀬 六朗

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