第3話 初めての冒険
是清が高橋家での生活に慣れ、寺子屋に通い始めてから数週間が経った。寺子屋では、新しい友達もでき、彼の毎日はますます充実していた。
「是清、今日は寺子屋で何をしたの?」覚治が夕食の席で尋ねる。
「今日はみんなで裏山に探検に行ったんだ!すごく楽しかったよ!」是清が目を輝かせながら答える。
「そうか、それはよかったな。でも、山では気をつけるんだぞ。危ないところもあるからな。」覚治が優しく注意する。
ある日、是清とその友達たちは、寺子屋の帰り道に再び裏山に行く計画を立てた。
「明日も裏山に行こうよ。今日はもっと奥まで行ってみよう。」友達の一人、吉田信次が提案する。
「うん、いいね!きっともっと面白い発見があるよ!」是清も賛成した。
翌日、放課後に集まった是清と友達たちは、裏山の奥へと進んでいった。木々の間を抜け、彼らは笑い声を上げながら進んだ。
「見て、この大きな木!僕たちの秘密基地にしようよ!」是清が興奮して言った。
「いいね、ここなら誰にも見つからない!」友達の中村啓太も賛成した。
彼らが基地を作るために準備をしていると、突然大きな音がした。
「何だ、今の音?」友達の一人、佐藤俊介が不安そうに尋ねた。
「大丈夫、きっと風で何かが倒れただけだよ。」是清が落ち着いて答えたが、心の中では少しドキドキしていた。
「でも、念のため見に行ってみよう。」是清が提案し、友達たちもそれに従った。
音のする方へ進んでいくと、彼らは古びた小屋を見つけた。
「すごい、こんなところに小屋があったんだ!」是清が興奮して言った。
「中に入ってみよう!」友達たちも興奮していたが、是清は少し慎重になった。
「待って、中が安全かどうかわからないから、気をつけて入ろう。」是清が言うと、友達たちは頷き、慎重に小屋の中に入った。
小屋の中は暗く、ほこりが積もっていたが、彼らは探検心を抑えきれず、隅々まで調べ始めた。
「見て、この古い本!何が書いてあるんだろう?」是清が古びた本を見つけた。
「きっと昔の誰かが使ってたんだね。すごい発見だよ!」友達たちも興奮していた。
夕方になり、彼らは小屋を出て帰ることにした。
「今日は本当に楽しかったね。また来ようよ。」是清が言うと、友達たちも同意した。
「でも、次はもっと早く帰ろう。お母さんが心配するから。」是清が続けると、みんなも頷いた。
家に帰ると、覚治とその妻が夕食の準備をしていた。
「是清、今日はどこに行ってたんだ?」覚治が尋ねた。
「寺子屋の友達と裏山に探検に行ったんだ!大きな木を見つけたり、古い小屋を見つけたりして、本当に楽しかったよ!」是清が興奮して話すと、覚治は微笑んだ。
「それは良かったな。でも、あまり遅くならないように気をつけるんだぞ。」覚治が優しく注意すると、是清は頷いた。
「今日はお母さんの作った煮物だよ。たくさん食べてね。」母が笑顔で言った。
「ありがとう、お母さん!僕、大好きだよ!」是清は嬉しそうに食卓に座った。
夕食を囲みながら、家族は笑い声に包まれ、温かい時間を過ごした。
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