くじらちゃんは映画友達、で地縛霊。

再演専門の映画館ってたまらないよね…!と思う方は迷わず開いてみてください。

場末の映画館のレイトショー、「僕」の隣で観るのは地縛霊のくじらちゃん。
くじらちゃんは女子高生で、唯一残る生前の記憶は、スクリーンいっぱいに映った鯨――
そんな謎めいた彼女を主人公に、その真相を探るモキュメンタリーを撮ることを思いつく「僕」、圭一。
そこに「レンタル霊媒師」を名乗る食えない男、円さんと出会い、物語は動き出しそして衝撃の事実へと収束してゆきます。

まるで映画館と一体となったような幻想的で迫力ある映像表現、切ない思い、不思議な友情。
亡霊とは怨嗟だけでなく、思い残したい姿、願いの一端でもあるのかもしれません。
主人公の圭一くんと霊媒師の円さんが、バディとなって解き明かしていくミステリーともなっていて、阿鼻叫喚なホラーが苦手な方にもおすすめです。

写真が魂を抜くのなら、このフィルムは――?
この“モキュメンタリー”をぜひ追って、一緒に「くじらちゃん……!」と叫びましょう。

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