何故かタグにいる、メロンパンとスルメイカ。正義感が強い、もしくはそう思い込んでいる男性が主人公です。困っている人を見かけると、手を差し伸べずには居られない人です。他人を助ける、手を伸ばす、という行為は相手を下に、見下しているから出来る行為なのだと、誰かが言っていた気がします。いつか成長と共に、そんな正義感を捨てた男性に迫る選択肢。自分の中の捨てた筈の正義が、蘇りそうになる状況に、彼が葛藤の末に選んだものとは、その選択の結末は……そんな男の信条と心情、大人になった男の葛藤を描いた作品です。あとメロンパン。
常人とはかなり乖離した心情と信念をもつ主人公。悪しきものとは言えないがゆえにこそ、それは他者との衝突をおびただしく生み。信念と他者とのあいだで、彼ははげしく葛藤する。その姿に、共感できない人、したくないと思う人は多いだろう。けれども、本作を読むあなたには是非、彼に共感することをお勧めする。なぜなら……。まあ、最後まで読んでみてください……。
正義感が一際強い男がいた。彼はその正義感ゆえに損ばかりしていた。そして、そのせいで大切なものを失った。彼は、彼の「ほんとう」を封じた。「普通の」「目立たない」人間であろうとした。しかし、ある場面を見て、彼は憤りを感じずにはいられなかった。そんな彼が目にしたものとは。そして、それを振り切り逃げた先には……そこに、「ほんとうのあなた」が選ぶだろう道が示される。見よ、これが、鐘古こよみ「三題噺」文学の極み。
本作の魅力は、「リアルな心情描写」と「読者に謎を残す結末」だ。正義を貫こうとするほどに疎外され、傷つき、悩む主人公の姿が丁寧に描かれる。誰もが一度は感じたことのある、理想と現実のギャップ。そんな中で揺れ動く主人公の苦悩に、共感せずにはいられない。
もっと見る