第9星:宇宙飛行士になった僕


「待っててね アリー」




 僕はアリーと一緒に外を眺めた

あの窓のフレームに立っている。



 病院は眠りについた。


看護士さんの巡回は

さっき来たばかりだから大丈夫。


 ダンボールの宇宙服を靴から順番に

お布団で隠れるところから履いていったのさ。


右手に持っているヘルメットを被れば

準備完了だ。




「…なぁにしてるのぉ?」



 おっと、チャーリーが起きてしまった。



「ごめんよ チャーリー 起こしてしまって」


「構わないよ アル」




「…僕は夢を叶えようとしているんだ」


「夢? 宇宙飛行士になる夢かい?」


「そうだよ」


「そりゃすごいね! でも怖くないのかい?」


「そうだね」



 僕はヘルメットを被った。



「よく聞くんだ チャールズ」


「なんだい アルバート」



「こうやって満天の星に向かって胸を開くんだ!


そして目指す場所を真っ直ぐに見るんだ!


僕が目指すのは あの何もない暗闇さ。


アレクサンドラがいるところさ!


それっ!」



 僕は力いっぱいフレームを蹴って

宇宙に飛び出した。



 今や僕の視界には 宇宙と




アレクサンドラしかいない。


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