第2星:星になる
「知ってるかい アリー!」
「どうしたの アル」
窓の外は秋空から
すっかり雪景色に変わってしまった。
アリーもすっかり痩せてしまった。
さくらんぼ色のティント(僕はいつも「可愛い口紅だね」と言ってしまう)はもう
アリーの青白い肌に合わなくなっていた。
「人は死んだら星になるんだってさ!」
「あらそうなの?」
「そうなんだ!
たとえ死んでしまったとしても
それに僕たちは
死んでしまった人たちのことを思い出すことができるんだって!」
「本当に」
「本当に!
あの綺麗な星空はみんな
この世界を生きた人々なんだ!」
「あらすごい」
「僕たちはどんな星になるんだろうね」
「そうね」
僕は知ってしまった。
お医者さんが「アリーは春まで持たないだろう」って
アリーのママとパパに話していたことを。
アリーの寿命はそう長くないんだ。
アリーはあと少しだけしか
この世界で生きられないんだ。
窓際の水瓶に挿さった南天が
真っ赤な実をつけていた。
真っ白な雪を背景に赤々とした実をつけている南天は
今のアリーに似てる。
とても愛らしいってこと。
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