咲良に狂わされる

桜の木の下に何かを埋めた。
そんな漠然とした記憶から桜の木の下を掘り始めたら出てきたのは なんと絶世の美少女。長く埋まっていたという彼女は初対面のはずの自分を知るかのように振る舞う。
彼女の正体が分からず困惑していたが、彼女に進路希望用紙の話をされ、自分がなぜここに来たか思い出す。
祖母の死後、周りを気にして捨てかけた理想の自分の姿が、「咲良」がついに蘇る。

普段あまり短編作品を読まないので新鮮でした。最近LGBTQや人種問題についてよく言及されてますし、多様性の時代と言われていますが、まだまだマイノリティが社会に受け入れられることは少ないですよね。自分の個性やアイデンティティを周囲、特に身内に否定されてしまうのは辛いことでしょう。主人公にお婆ちゃんのような存在が一人でもいて良かったです。もし居なければ、咲良が埋もれることすらなかったかもしれませんから...
あと桜と咲良が掛けられてるのおしゃれな表現だと思います。

レビューが長くなってしまいましたが
とても美しい話でした。

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