第4話
香織と涼介は、村田から得た情報を手に、次の手がかりを追うために動き出す。目的地は、港にある古い倉庫だ。二人はバイクにまたがり、門司港の夜を駆け抜ける。
「涼介、また厄介なことになりそうね。」香織が半ば楽しげに言う。
「香織、君はこういう時に楽しそうだな。まあ、君がいれば何とかなるさ。」
涼介が微笑みながら答える。
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倉庫に到着すると、二人は周囲を見渡しながら静かに進む。古びた倉庫のドアを開けた途端、ドアに掛けられていたベルが大きな音を立てた。
「なんだこれ!?罠か?」涼介が驚きの声を上げる。
「ただのベルじゃない。まるでお化け屋敷みたい。」香織が呆れた表情でベルを取り外す。
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倉庫の奥で古びた箱を見つけると、涼介が慎重に開ける。中には古い地図と一緒に、一冊の古びたジョーク本が入っていた。
「これって…誰がこんなものを隠しておくのかしら。」香織が笑いながら言う。
「まあ、これも手がかりかもしれないな。」涼介が本を手に取り、軽くページをめくる。
「ねえ涼介、そんなの読んでる場合じゃないでしょ。」香織がツッコミを入れる。
「待って、これを見てくれ。ページの間に地図の切れ端が挟まってる。」涼介が興奮気味に言う。
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地図の切れ端を確認すると、そこには宝石が隠されている場所の詳細が記されていた。しかし、地図の一部が古くて読めない部分がある。
「これが問題ね。どうやってこの部分を解読するか。」香織が考え込む。
「任せてくれ、香織。ちょっとした化学反応で読めるかもしれない。」
涼介がポケットから何かを取り出す。
「それは何?」香織が怪訝な表情で尋ねる。
「ただのレモン汁さ。昔の隠しメッセージにはよく使われたんだ。」涼介が得意げに答える。
涼介がレモン汁を地図の汚れた部分に塗ると、驚いたことに地図の隠された情報が浮かび上がる。
「やったわ!これで次の場所がわかる。」
香織が歓声を上げる。
「僕の直感が正しかっただろ?」
涼介が得意げに言う。
「はいはい、涼介。次はちゃんと計画的にやりましょうね。」香織が微笑みながら肩を叩く。
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地図を元に、香織と涼介は次の手がかりを追うために再び動き出す。次の目的地は、門司港の古びた劇場だ。二人の冒険はまだ続く。新たな謎と危険が待ち受ける中、彼らは決して諦めることなく、真実を追い求める。
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