第11話
香織と涼介は、手に入れた証拠を公表するためにメディアセンターを後にし、次の行動を決めるために近くのカフェに立ち寄る。
「とりあえず、一息つきましょうか。」
香織が提案する。
「いいね。ここで少し休憩して、次の作戦を練ろう。」涼介が賛成する。
---
カフェでくつろぐ二人。しかし、突然香織の電話が鳴る。彼女は不安そうに電話を取る。
「もしもし、三田村です。」
電話の向こうから緊迫した声が聞こえる。
「助けてください、黒影がまだ追ってきています!」
「何ですって!?どこにいるんですか?」
香織が驚いて尋ねる。
「港の倉庫に隠れています。急いでください!」
電話が切れる。
---
「どうやら、まだ終わっていないようだ。」
香織が涼介に伝える。
「港の倉庫か。急ごう!」
涼介がすぐに立ち上がる。
---
二人は急いで港へ向かう。車内では緊張感が漂うが、涼介の軽妙な会話が少し和ませる。
「こんな時でもジョークを言うなんて、さすがだね。」
香織が苦笑する。
「緊張をほぐすのも俺の仕事さ。」
涼介がウインクする。
---
港の倉庫に到着した二人は、静かに中に入る。暗がりの中で息を潜めて進むと、突然後ろから足音が聞こえる。
「気をつけろ、誰かが来る。」
涼介が低い声で警告する。
二人は素早く物陰に隠れる。現れたのは黒影のメンバーだ。彼らは何かを探している様子だ。
---
涼介はジェスチャーで作戦を示す。香織はスマートフォンで証拠を撮影し、涼介は音声を録音する準備を整える。
「ここで証拠を手に入れよう。静かに行動して。」涼介が囁く。
---
二人は息を潜めながら、黒影のメンバーの会話を盗み聞く。彼らの計画が徐々に明らかになる。
「これが証拠になるわ。しっかり録音しておいて。」
香織が指示する。
「もちろん、全て記録しているさ。」
涼介が笑顔で応じる。
---
突然、黒影のメンバーが二人の存在に気づく。
「誰だ、そこにいるのは!」
「見つかった!逃げるぞ!」
涼介が叫ぶ。
---
二人は一斉に走り出す。黒影のメンバーが追いかけてくる。涼介は素早く倉庫の裏手に回り込み、香織はそのまま前方へ駆け抜ける。二人は冷静に追跡者をかわしながら、巧みに逃げ道を見つける。
「こっちだ!」
涼介が叫び、二人は再び合流する。
「急いで、車に戻ろう!」
香織がリードする。
---
二人は車に飛び乗り、エンジンをかける。涼介がハンドルを握り、全速力で港を後にする。
「これで少しの間、安全ね。」
香織が息を整える。
「そうだな。でも、まだ油断はできない。」
涼介が険しい表情で答える。
「次のステップは、これを公表して彼らの計画を完全に暴露することだ。」
香織が決意を込めて言う。
---
港の倉庫に再び戻ると、彼らは隠れていた人物を見つけ出す。怯えた表情のその人物は、黒影のメンバーに追われている情報提供者だった。
「あなたが電話してくれたんですね。もう大丈夫です。」
香織が優しく声をかける。
「ありがとう。彼らの計画を止めるために証拠を渡したかったんです。でも見つかって…」
情報提供者が息を整えながら話す。
「あなたの勇気があったから、ここまで来られました。さあ、安全な場所に移動しましょう。」
涼介が背中を押す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます