底辺声優、俺氏。女装してオーディション受けたらヒロインに採用された件。

タイトルの通りの良作品ですね。
題名で期待した面白さがそのまま楽しめるタイプです。

売れない男性声優の主人公が、やけっぱち気味で女装してオーディション受けたら、なんと人気アニメのメインヒロインに抜擢されてしまうところから、物語が動き始めます。

主人公も最初は事務所から無理矢理やらされる形で、消極的だったりもするんですが、
いざ仕事が始まってしまえば、やらされたのは、ただの『女装した男性声優』ではなく、『女性アイドル声優』なんですよ。

はい、女性になりきって仕事するしかねえ、ってわけです。
しかも、アイドル声優ですね。

もう、後に引けない。
いまさら、やっぱやめたなんて言えない。
やりきるしかない。

突っ走るしかねえ。この男の娘坂ってやつをよお!
ってな作品でございます。


もう、このストーリーそのものも面白いんですけど、実はこの作者さん、かなり技術レベルが高い方なんです。
ストーリーのネタが面白いだけじゃなくて、見せ方もすごく上手いんですね。

かなり突飛な設定にも関わらず、各展開ごとの説得力がすごいんですよ。
主人公の置かれた売れない声優としての苦境なんかが、説得力マシマシで描かれるから、そこでグッと感情移入させられてしまう。

だから、そっからの女装を強要されてオーディションを受けに行く展開なんかが、かなりぶっ飛んでて共感しにくいことやってるのにも関わらず、応援したくなってしまう。

こういう、『共感しにくいはずの展開』なのに、強引に共感させられちゃう豪腕技術をもった作者さんって、本物の実力者なんですよ。

そんな豪腕でずっと突き進んでいくもんだから、もう。
各展開で主人公と同じ気持ちになって喜んだり、戸惑ったりできて、楽しめちゃうんですね。



こんな方におすすめ

:主人公が正体を隠して女装してお仕事する系が好きな方

:女装してる秘密を共有する女友達とラブコメチックな展開になるのが好きな方

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