第6話 聖女を創るーー(道化師の最後の仕事)

15代目ハーベットの関わった人物の中でアダマンチュラはゴールドマリーや俺たちの中心だった。見た目は幼いという酷い遺伝子だ。

それとは関係なく美しい頭脳を持っている。



オレがアダマンチュラを暗殺することはいつか彼女にバレるだろうと思っている、、、。もうすでに聡明なあの子のことだ。察しているかもしれない。


オレは『龍ファリスト教団』の教えとして最後の任務に取り掛かる。。

アダマンチュラを聖女としてーー亡くなる運命としてーー。殺すのだ。

彼女は死後。龍を倒した運命の乙女として祭り挙げられるのだ。




彼女が健全な時なら、運命は自分で決める!と豪語できただろうか。

もう聴くことはできない。彼女の冷たい死体をみてほろりと涙がコントロールできず溢れた。オレが殺した最後の人物。

オレは自害を選んだ。もう後戻りできないのだから。


俺は血まみれの道化師。ハーベットの一人。

道化師は片目で泣くという。その逸話はどこから来たのか。



ーーー数百年後ーーアダマンチュラは『龍ファリスト教団』の聖女として教科書に載ることになる。






ーーー『聖女アダマンチュラと黒龍アザレア冒険譚』に続く予定

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レガート王国外伝ーー道化師兼暗殺者ハーベット伝 aviane @LiLiaviane1987

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