第23話 勝利の代償と代価

 月影拓也side

 対戦相手が焼き付くして消えてレイカと拓也だけになる。


「……」


 拓也はレイカに近づき無言でお礼をする。


「さあてと拓也君はここからどうしたいのかな?」


 レイカは拓也の瞳を見て聞く。


「?」


 拓也は質問の意味を理解出来ない様子を見せる。


「今回は大きな代償と代価なしで私とあった記憶を消してこのままさよならでも良いからね」


 ご機嫌な表情でレイカは言う。


「……」


 笑顔でレイカの瞳を見てお礼をする。


「特別に神のルールのペナルティも外して上げる」


 レイカは拓也に言う。


(ここまでしてくれるのは嬉しいしありがたいが)


 拓也は嬉しい表情をしながら何かがひっかかる感覚になる。


「……」


 拓也はレイカに何か伝えようとする。


「ここで私とさよならした場合はあなたは戦いをやめて観客として見守るだけにはなるかな」


 レイカは答える。


(そうなったら戦うことは出来ないのか)


 拓也は落ちこみ始める。


「拓也君はこの先、戦いたいの?」


 レイカは拓也の瞳を見る。


「……」


 拓也は迷いもなく真剣な表情でうなずく。


「拓也君の願いは何かな?」


 レイカは拓也の瞳を覗きこむ。


「僕の?」


 拓也は声を出せるようになって驚く。


「一時的にペナルティを外したから拓也君の願いを言葉にしてみて」


 レイカは拓也の瞳を覗きこみ質問する。 


「僕の願いは真矢ちゃん、紗矢ちゃんを守りたい!」


 迷いもなく拓也は答える。


「その願いを叶えるための代償と代価が重くてもかなえたいの?」


 レイカは真剣な表情で拓也に言う。


「叶えたい!!」


 拓也は力強い声でレイカの瞳を見て言う。


「拓也君にとってこの先、困難な道のりでも叶えたい願いなの?」

 

 レイカは冷たい瞳を拓也に向ける。


「叶えたいし守りたい!」


 拓也は迷いなく言う。


「真矢ちゃん、紗矢ちゃんは大切な人だから」


 拓也はレイカの瞳を見て言う。


「それじゃあ、代償と代価なんだけど願いを叶えたら拓也君をカードにしてもいいかな?」


 レイカは黒い笑みを浮かべて拓也に言う。


「カードにしていいです」


 拓也は迷いもなく言う。


「先払いでも良いのかしら」


 レイカは拓也を見る。


「はい、構いません」


 拓也は恐怖や戸惑いもなく答える。


「それじゃあ先払いで頂くね」


レイカside

 不意に拓也に近づきレイカは唇にキスをする。


「え?」


 拓也が戸惑った表情や恥ずかしさを見せながら消えてカードになった。


「たくちゃん!!」

「お兄ちゃん!!」


「あらあら、お姫様いらっしゃいませ」


 レイカは笑顔でかけつけた女子2人を見る。


「たくちゃんを返せ!!」


 真矢は静かな怒りと殺意を向けてレイカの瞳を見る。


「お兄ちゃんを返せ!!」


 紗矢も同時にレイカに殺意を向けてみる。


「あなたの大好きな王子様は上げないし返してあげないよ」


 レイカは真矢と紗矢の瞳を覗き返す。


「「!?」」


 真矢と紗矢は身体が動けなくなる。


「返して欲しかったら、あなたたち2人も強くなることね」


 レイカは真矢と紗矢に言う。


「ま、」


「さよならお姫様」


 レイカはその場から消えた。



真矢side

「……」


 真矢は悔しそうな表情と涙を流す。


「……ぐす、ぐす」


 紗矢も泣き始める。


「ぐす、紗矢、泣き終えたら行くよ」


 真矢は涙を流しながら紗矢に言う。


「……うん」


 紗矢は涙をふきながらうなずく。


「たくちゃんをあのクソビッチ女神から取り戻す」


 真矢は悔し涙を浮かべて言葉にする。


「お兄ちゃんをあのビッチを倒して取り返してやる」


 紗矢も泣きながら言葉にする。


「紗矢、強くなるよ」


 真矢は真剣な表情で紗矢に言う。


「うん!!」


 迷いのない声で紗矢は言う。


 そして、今回の突然のカードバトルの騒動は他の中学や高校でもあったという情報が流れてきた。


 ただ、今回の騒動に関しては他の中学、高校では生き残りはいなく全員行方不明になったとのこと。


 自分達の学校は倒すことが出来てクリアしたのでカード化した生徒は元に戻った。


 ただ、月影拓也だけは行方不明で話が終わる。




 


 


 

 


 

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現実世界に神がやってきてカードバトルを仕掛けてきました。ルールは山札=ライフで相手の山札を0にしたら勝ちのカードバトルで僕の初期の山札は1枚です。 牧村和樹(グレイレッド) @gurei0507

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