想いは、しんしんと。

 ふと思い出す、あの時の出来事。それはきっと、「事」ではなく、「想い」が心に焼き付いてしまうから起こるのでしょう。

 これは、そんな掌編です。

 時に苦く、甘く……もどかしい痛みを伴うかもしれない想いが、円熟しきる直前のきらめきを放って、密やかに、いつまでも、読後の胸に降り続けます。

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