『事故物件』という言葉を、あなた は
多分、聞いた事があるだろう。
つまり、その物件で何某かの『人死』が
あった物件の事を言うのだが、不動産屋は
物件を仲介する際に、告知の義務がある。
但し、『人死』があってから一回目のみが
『事故物件』として認定される。
…つまり、二回目からは『事故物件』の
認定は外されて不動産屋の告知義務はなく
なるのだ。
あなた が今、想像した事。
それは先ず間違いなく、裏切られる。
この小説は、作者既出の奇想天外ホラー
【心霊”未遂”事件】からの抽出。決して
ありがちな話ではないのだ。
寧ろ、初めて体験する 恐怖 を。
心霊現象が起きる訳ではなく、又、常軌を
逸した人間が残虐行為をする訳でもない。
只々あまりにも異質な『事実』だけが、
淡々と語られて行く。
一体、これは。
これ程までにゾッとした話には、なかなか
お目に掛かる事は出来ない。作者の、
恐ろしく巧緻な企みなのか…それとも。