生きた人間である安倍晴明から目が離せない

平安時代の知識などないに等しい私でも知っている、陰陽師、安倍晴明。
と言っても、知っているのは映画や漫画で得た知識で、美青年が物怪相手に、魔法の如き派手な術で立ち向かう類のもの。
楽しいけれど、これってファンタジーでは??と思っていました。


しかし、この物語に存在するのは、真実「生きた人間」である安倍晴明。


彼が活躍したのは中年以降だというのだから、まず驚き。
物怪など幻想だと言い切る姿に、更に驚き。
地味とも言える陰陽師の仕事と日々の生活、チラリと見える出世欲。
きっと実際にこういうおじさんだったのだろうなぁ…と納得の人物像。

私のように歴史に疎くても、物語の中にサラリと差し込まれる説明で、全く困惑することなく読み進められるところもこの物語の魅力です。


さあ、あなたも、生きた安倍晴明の姿をご覧あれ。
気がつけば、どこかじっとりとした平安の空気を感じているはず。
おすすめです!

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