第6話

「先輩、私、縛られても、良いですよ」

曇り空であったが、彼は、晴天の霹靂のような表情を、向けて、私を見ていた

私は、彼の視線を、受けながら

掴んだ肩を、離さないように、続ける

先輩が、最近借りている本の中に、何処にも、みな縄で、縛る物が、出てきます

はじめは、偶然かと思いましたが

しかし、以前一度読んだものもあれば、先輩が借りたその日のうちに、読んだものもありました

こういうのは何ですが、みな、そんな、そう、℠の雰囲気を、私は、感じました

それでも、また、偶然だとも、思いましたが

失礼ながら、先輩の鞄を、以前、一度、みてしまったことがあったんです

その時「緊縛初級編誰でもマスター」

と言う本を見てしまって

先輩が、彼女さんと、仲良くやって居る事は、知って居ますが

でも、彼女さんは、そう言う行為を、認めてらっしゃるんでしょうか

もし、先輩が、その願望を、一人で、抑えているのでしたら

私は、付き合えますよ

私も、練習しましたし、通信教室にも入りました

先輩、私を、縛りませんか」

私は、彼の方から手を放す

そこには、何かに、縛られたような、目線が、私の方を、向いていた

私は別段、彼の愛がほしいわけじゃない

私は、彼の興味が、欲しいだけ

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糸より太し イタチ @zzed9

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