概要
人生は長いのよ
中学一年の柚葉は、幼なじみで、親友だと思っていたリサと同じクラスになれたのに、ある日突然無視されるようになり、孤独を感じていた。
藤の花の花言葉や、藤の雨という言葉をテレビで知った日の朝、柚葉が緊張しながら家を出る。
むわんと、雨の匂い。土と草の匂いもする。
リサ、いないといいな。そう願いながら歩く。
それなのに、出会ってしまった。
黒い学生鞄と、ローズピンクの傘を持ち、スタスタ歩いていた彼女は、柚葉の気配を感じたのかふり向く。
目が合う。嫌そうに顔をゆがめたリサを見て、ぶわっと熱い涙が流れ出す。
泣くな泣くな泣くな!
ドキドキし過ぎて胸が痛くて苦しくて。
柚葉は泣きながらリサに背を向け、駆け出した。
フィンディルさんの自主企画「あなたの小説の方角はどちら?」参加作品・五作目
藤の花の花言葉や、藤の雨という言葉をテレビで知った日の朝、柚葉が緊張しながら家を出る。
むわんと、雨の匂い。土と草の匂いもする。
リサ、いないといいな。そう願いながら歩く。
それなのに、出会ってしまった。
黒い学生鞄と、ローズピンクの傘を持ち、スタスタ歩いていた彼女は、柚葉の気配を感じたのかふり向く。
目が合う。嫌そうに顔をゆがめたリサを見て、ぶわっと熱い涙が流れ出す。
泣くな泣くな泣くな!
ドキドキし過ぎて胸が痛くて苦しくて。
柚葉は泣きながらリサに背を向け、駆け出した。
フィンディルさんの自主企画「あなたの小説の方角はどちら?」参加作品・五作目